清らかに

若手芸人の僕が、やらなくなったネタを埋葬していきます。

「平等」

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設定 居酒屋

登場人物

  1. タカヒロ 30代のサラリーマン。アメリカへの転勤が決まった
  2. 光太郎 修二とは高校の時の親友。

視点 タカヒロ

  

 

タカヒロ「高校の頃のゆうちゃんはほんと面白かったよなー」

東京に住んでいるタカヒロの馴染みの居酒屋とんちゃん。

休日で混んでいるが特別に席をあけてくれていた。

今日、タカヒロアメリカに飛び立つ。

光太郎「そうだなー。あいつは最高だったよなー。」

光太郎はアメリカに旅発つ前にわざわざ京都から会いに来てくれた。

2年ぶりだ。

タカヒロ「もうこんな時間か。そろそろ俺行くわ。」

光太郎「そうか。俺はもうちょいここで飲んで行くよ」

タカヒロ「わかった。」

光太郎「アメリカ行っても元気でやれよ。たまに行くから」

タカヒロ「お前の給料で来れんのかよ」

光太郎「うるせーよ‥‥じゃあな」

タカヒロ「あぁ。じゃあな」

不思議と悲しさはなかった。これから俺はアメリカでビックな事をするのだ。ワクワクする。

光太郎「おい!」

タカヒロ「なんだよ!いい終わり方だったろ!」

光太郎「お前携帯忘れてんぞ」

タカヒロ「あっ悪りぃ悪りぃー。」

光太郎「お前しっかりしろよ。そんなんで大丈夫かよ。」

タカヒロ「うるせー大丈夫だよ。よこせよ。」

光太郎「ほい」

光太郎が投げた携帯は思わぬ暴投で地面に落ちた。

嫌な音がした。

光太郎「悪りぃ悪りぃ、野球やってたのにコントロール落ちたな」

タカヒロは画面を確認する。

割れてはいないが電源がつかない。

タカヒロ「携帯壊れたんだけど。」

光太郎「‥‥」

タカヒロ「どうすんだよ!!!今日海外行くんだぞ!手続きも全部済ましてもう携帯ショップ空いてないぞ!!連絡もいろんな人と取らないといけないし、まじどうすんだよ!!!!」

タカヒロは思考が停止し、うずくまってしまった。本当にどうしよう。考えるが答えが出てこない。その時、

光太郎「うわーーーー!!!」

光太郎の奇声とともにバンッ、バンッと謎の音がする。

ゆっくり振り向くと自分の携帯を地面に叩きつけている光太郎。

タカヒロ「何やってんだよ!」

光太郎「なんとかしてやるから、待ってろよ!!」

そうゆうと光太郎は自分の携帯をビールの中にぶち込んだ。

光太郎「よし!携帯壊れたぞ。これで解決だろ。」

タカヒロ「‥‥」

光太郎「いやよかったどうなるかと思ったな。夢叶えて来いよ!」

というと光太郎はビールを頼んだ。

タカヒロ「いやそういう事じゃないだろ!!!」

光太郎「えっ、えっ?」

光太郎は完全に目が飛んでいる

光太郎「どうしよう、どうしよう、大変だ。」

タカヒロ「落ち着け!な!落ち着け!」

光太郎「そうか!!これだ!!!」

そういうと自分の服をビリビリに破きだした。

光太郎「これでどうだ!」

タカヒロ「何やってんの?居酒屋だぞここ!」

光太郎「どうしようどうしよう」

どうやら親友の壊れたら困るものを壊してしまったから自分の壊されたら困るものを壊しているようだ。

タカヒロ「落ち着けもうそれ以上自分のものを壊したりするなそういう事じゃないんだ。」

光太郎「違うの?なんでなんで。」

光太郎の目は相変わらず飛んでいる

光太郎「わかった。金だな!持っていけ!」

財布を無理やり手渡してくる。

タカヒロ「わかったわかった!汗一回落ち着け?な?」

実際お金は欲しい、海外で機種変するにもお金がかかる。

光太郎「足りねーんならATM行って来い!」

タカヒロ「わかったよ。じゃあ3万だけもらうぞ?」

光太郎「好きなだけ持っていけよ。相性番号は0000だ。」

タカヒロ「分かりやす。相性番号変えたほうがいいよ。とりあえずお前、服ボロボロだから俺行ってくるな。」

そう言いながらいつもの癖で壊れているはずの携帯を見た。

すると携帯の電源が付いていた。

タカヒロ「あれ?電源ついてる。」

光太郎「は?あっほんとだ!」

タカヒロ「もしかして電源飛んでただけだ!!」

光太郎「そっかー!!!」

タカヒロ「よかったー!!!!」

心の底から喜んだ。これで無事に向かうことができる、連絡もすぐできる。完全に安心しきっていた。

光太郎「どうすんだよ!これ!!!」

タカヒロ「えっ?」

光太郎「携帯もビールに浸かってる、服もボロボロ。どうすんだよ!!」

タカヒロ「知らねーよそんなの」

光太郎「財布もとってんじゃねーか!泥棒!!!」

タカヒロ「お前が渡したんだろ!」

どうやら、意識は正常に戻っている。

目が私に一直線で向いている。

光太郎「お前がめちゃくちゃプレッシャーかけてきたからだろ!どうすんだよ!!おい!」

タカヒロ「知らないって。」

光太郎「おい!!おい!!ちゃんと答えろよ!おい!」

タカヒロ「‥‥」

光太郎「答えろよ!カス!!」

ここからはその時の記憶はない。

ここからは居酒屋とんちゃんの店主から聞いた話だ。

タカヒロ「うわーーーーーー!!」

光太郎は尻餅をつく。

まずさっき電源が付いた携帯にビールをぶっかけて

自分の服を手で破りまくってこう言ったという。

タカヒロ「これで平等だろ。」